斉通 2017年3月②号

        

北朝鮮の核とミサイル
  
 北朝鮮は、3月6日、北朝鮮西岸から日本海に向けて4発の弾道ミサイルを発射し、うち3発が日本の排他的経済水域内に落下したとみられる。そして、北朝鮮は、3月9日、「在日アメリカ軍基地を攻撃目標に想定して行われた」と発表した。
 また、北朝鮮は、昨年9月に5回目の核実験に成功しており、6回目の核実験を直ちに行うことができる準備が進んでいるとも言われている。
 現状では、日本へのミサイル攻撃の防衛は、①ミサイル発射後に大気圏外で迎撃するイージス艦発射ミサイルと、②大気圏に再突入した後に迎撃する地上からのパトリオットミサイルの“二段構え”の迎撃ミサイルを基本とする。しかし、上記のような北朝鮮の弾道ミサイル技術の向上や核開発という現実を踏まえ、国民の生命を守る義務を負う国政には、北朝鮮のミサイルと核の脅威に対する対策が急務だ。
 パトリオットミサイルの迎撃範囲は数十キロメートルであるから、それだけで日本全土をカバーすることは事実上困難であろう。そこで、韓国ですでに採用された③地上配備の「高高度防衛ミサイル(THHAD)」や、④地上配備型の「イージス・アショア」を導入し、“三段構え”の体制をとるべきとの提案もある。しかし、それでも、迎撃率は100%にはならないであろう。そうすると、北朝鮮がミサイルと核の開発を着々と進めている現実に対し、日本政府には国民の生命を守るためのあらゆる選択肢の検討が求められよう。
 この点、ミサイル発射基地等を直接攻撃する「策源地攻撃」が望ましいかどうかの検討は急務だ。しかし、「策源地攻撃能力」は抑止力として導入するとしても攻撃能力ではある。そこで、日本がそれを有するのは望ましくないというのであれば、「シェルター」の導入を検討すべきではないだろうか。もちろん、このシェルターは、地震などの自然災害時の一時避難場所にも活用できるだろうし、機能拡張した地下鉄などを利用する方法もあろう。
 いずれにせよ、外交上の努力を重ねるのはもちろんであるが、抑止力としても、国民の生命を守るための現実的な対応が急務であろうと思われる。
  


2017年03月02日